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アジアの少子高齢化ーアジアは若い?若くない?

現代のアジア
現代のアジア

人口減少の進んでいる日本では、少子化対策にこれまでにないほどの注目が集まっています。

一方、中国でも2022年末時点での人口が61年振りに減少したことが大きなニュースになりました。

アジアの国々は日本と比べると年齢が若く、子供の数も多いというイメージがあるかもしれませんが、実際はどうなのでしょうか。

アジアの平均年齢はやっぱり若い?
子供の数は日本よりは多い?
アジアでも少子高齢化の心配はあるの?

この記事では、こうした点について解説しています。

本記事でアジアの状況を知ることで、改めて日本の少子高齢化についても考えるヒントになるかもしれません。



アジアの年齢中央値

ここでは、年齢中央値(Median age)を使ってアジア各国の年齢事情をみていきます。

年齢中央値とは、 人口を年齢順に並べた時、その中央で全人口を2等分する境界の年齢のことです。

以下は、国連の2022年データよりアジアの年齢中央値を高い順に示したものです。median age 2022

United Nations World Population Prospects 2022をもとに筆者作成

年齢中央値は日本が最も高く、特に東アジアで高齢化が進んでいることがわかります。

一方、東南アジアの年齢中央値は20代半ば~30代初め頃が多く、まだ若い人口が多い印象です。

しかし、上記の表に含まれる国の中で直近10年で年齢中央値が下がったところはありません。

どの国も年齢中央値は徐々に上がってきており、今後もその傾向が続くと予想されます。

医療技術の向上、衛生状態や健康状態の改善などにより死亡率が低下し、平均寿命は伸びています。

アジアの出生率

birth

次に、出生率をみてみましょう。

年齢中央値と同じく国連データより、2022年のアジアの合計特殊出生率(Total fertility rate)を低い順に示したものが下記です。
total fertility rate 2022

United Nations World Population Prospects 2022をもとに筆者作成

少子高齢化が叫ばれて久しい日本ですが、出生率では特に東アジアで日本よりも低い地域があることがわかります。

他の地域では出生率が2.0以下のところが多いですが、3.0を超える国もあります。

ただし、そうした地域も含めてほとんどの国では徐々に出生率は下がってきています。

たとえば、インドは2023年中に中国を抑えて世界トップの人口になると予測されていますが、そのインドですら緩やかなペースながら出生率は徐々に低下し続けています。

アジアの高齢化と少子化の実態

現在、日本以外のアジア諸国の高齢化は日本以上に早いスピードで進んでいます。

「日本は高齢、アジアは若い」といえる状況ではなくなりつつあるのです。

少子高齢化のすすむ国の実態

日本、香港、韓国、台湾、シンガポールの年齢中央値は40歳を超え、出生率も低く、少子高齢化が進んでいます。

日本を除く香港、韓国、台湾、シンガポールは、かつてアジアNIEs(振興工業経済地域)と呼ばれ、1970~1980年代に著しい経済成長を成し遂げました。

こうした国々では経済が発展し、産業構造の変化や教育レベルが向上したことにより少子化が進みました。

農業から工業、さらにはサービス産業へと主要産業が変化していくにつれて、かつてほど多く子供を産む必要はなくなったからです。

そうして豊かになった社会では、より高い教育レベルや技術が必要とされます。

それに加え、東アジアは伝統的に教育熱が高い傾向がありますが、教育費への公的資金の投資割合が少ないという特徴があります。

そのため、アジアの各家庭では、子供の数を増やすよりも一人一人の教育に多くの資金を投じるようになり、子育ての金銭的な負担が増えたことも少子化の要因となっていると考えられます。

年齢中央値が低く、出生率が高い地域

children playing with tires

ラオス、フィリピン、東ティモールは今でも年齢中央値が低く、出生率も比較的高いです。

これらの国では下記の点が共通しています。

  1. 経済的にまだ発展の余地がある
  2. 国全体での教育の普及が十分でない

上記に加え、さらに国ごとの個別要因も関係しています。

ラオス

ラオスの人口は約740万人で、もともと規模は大きくありません。

経済発展においてある程度の人口規模は必要であるという考え方から、ラオスでは出生率が今より高かった期間も政府は積極的な人口抑制は行いませんでした。

加えて、ラオスは人口の70%が農村に暮らしており、農村人口の割合が大きい国です。

農業など第一次産業に従事する人口が多い地域では、人手の必要な農業に従事するために子供の数が多くなる傾向があり、出生率が高く、年齢中央値も若くなります。

フィリピン

近年、フィリピン経済はグローバル化とIT化を武器に大きく飛躍しています。

出生率はゆるやかに減少しつつあるものの、それでも他のアジアの国と比べると依然として高い傾向にあります。

若年層の多いフィリピンの人口は増えており、現在の人口は約1億人です。

アジアでは中国、インドネシア、日本に続く第4位の人口を擁しており、まもなく日本の人口を超えると予想されています。

経済発展をしているのに出生率がいまだ高い理由の一つは、カトリック教徒が多いことです。

カトリックでは中絶や避妊は望ましくないものと考えられているので、結果的に子供が生まれやすいのです。

また、社会的格差の大きいフィリピンでは、十分な教育が受けられない貧困層もまだ多くいます。

避妊の知識自体がなかったり、将来の計画なしにどんどん出産してしまうなど、貧困層ほど子沢山が多い傾向があります。

フィリピンの大卒カップルの場合は子供の数は1~2人が平均的ですが、一方で子供が7~8人いる家庭もめずらしくありません。

東ティモール

東ティモールは2002年にインドネシアから独立した若い国です。

独立直後と比べると出生率はかなり下がってきていますが、いまだに出生率が高いのにはいくつかの理由があります。

東ティモールは独立後に本格的に国造りが始まりましたが、衛生状態や医療環境、インフラなどが十分ではありません。そのため、乳児死亡率も周辺国に比べると高く、乳児死亡率が高い国は出生率も高くなる傾向があります。

また東ティモール人は子供が大好きで、自分の子供も他人の子供も分け隔てなくみんなで育てようという慣習があります。子供の面倒をみてもらえる人がたくさんいるため、子守りの大変さで生み控えることはありません。

さらに、東ティモールにはカトリック教徒が多く、フィリピン同様に中絶や避妊は一般的ではないため、子供が多く生まれやすいのです。

こうした要因により東ティモールは今でも出生率はかなり高く、年齢も若い人が多い状況です。

ただし、ラオス、フィリピン、東ティモールいずれの国も出生率は直近10年で確実に低下しています。

こうして見ていくと、高齢化や少子化は、社会が発展してより良い生活が享受できていることの証明ともいえますが、その傾向が進み過ぎると今度はまた別の問題に直面します。



少子高齢化でアジアが抱える課題

少子高齢化がすすむと、下記のような問題が起こり得ます。

  1. 労働人口減少による国の経済力低下
  2. 都心部と農村部の格差拡大
  3. 社会が高齢者を支えられなくなる可能性

特に3つめの問題は深刻です。

社会が高齢化すると、国の医療費や介護費負担が増加し、社会保障制度の重要性が増していきます。

しかし、一方で少子化により税収が減るため、必要な社会保障が行えない可能性が出てきます。

日本もさらなる高齢化で将来が不安視されていますが、実はアジアの状況はそれよりさらに深刻です。

アジアには社会保障制度自体が未整備の国も多く、急速に高齢化してゆく社会の変化に対応できなくなる可能性が危惧されます。

これまでアジアでは、高齢者の扶養は家族や親戚が担うことが当たり前に行われてきました。国としてもそうした慣習を推奨し、法律やスローガンを掲げるところもあります。

また、教会、寺院、モスクなどの宗教施設や、地域の相互扶助のしくみも実質的な社会保障の代わりを担っており、社会保障制度が未整備でも社会が成り立っていました。

しかし社会構造が変化し、核家族化や若者の都会流出、高齢化などが進むと、家族や親戚からのケアに頼ることができない高齢者も増えます。

そのため、アジアでもますます社会保障制度が重要となります。国の経済発展が十分でないうちに高齢化を迎えると、高齢化対策以外にもインフラ整備、医療サービスの充実、教育の普及など着手すべき課題も多く、いっそうの課題となりそうです。

アジアのこれから

aging society

今後アジアの少子高齢化にむけて、社会保障制度の拡充が望まれます。

一部の国を除いて、アジアで国民皆保険や国民皆年金制度などの社会保障が完備している地域はまだ多くありません。

たとえ制度が整っていても、それを維持していくことは簡単ではありません。

すでにアジアの多くの国には何らかの社会保障制度はありますが、職業や居住地域により加入できる人が限られているものが多いです。全国民を対象とする制度を整えるのは簡単なことではありません。

また、社会保障だけでなく、教育の普及も長い目で見ると高齢化対策につながります。

教育が十分に普及すると、一人一人がその知識や技術、経験を活かして長く働くことができるようになります。

長く働く人が増え、労働力が増えることで国の貯蓄率や税収増につながり、高齢者を支える社会保障を充実させられます。

実際に日本、韓国、台湾などでは比較的高齢になっても働き続ける人は多いです。

それは教育が行き渡り、高齢になっても働き続けられる知識と技術があるからです。体力のある若い時にしかできない肉体労働では長く働けません。

男女関係なく、多くの人が満足な教育を受け、その知識や技術を活かして長く働けるようになると、高齢化対策のみならず国の生産性や競争力の向上にもつながります。女性だけが学業や就業をあきらめて子供の数を増やすという、時代に逆行するような方法は現実的な解決策ではありません。

学業や就業をあきらめず、子供も産める社会を作っていくことが、本当の少子高齢化対策になるといえます。

そのためには、社会全体でそれが実現できる環境を作っていく必要があります。

まとめ

アジアでは日本を筆頭に、特に東アジアにおいて高齢化が進んでいます。

現在の年齢中央値が20~30代の国も、徐々にその数値は上がってきています。

また、日本以上に低い出生率の国もあります。

つまりアジア全体で高齢化・少子化は進んでいるのです。

そうした社会に対応するためには、社会保障制度をさらに整備し、高齢化に対応するしくみの構築が急務です。

また、教育の普及も少子化対策には有効です。

男女問わず多くの人が教育を受けられ、培った知識や技術を使って長く働ける社会になることが結果的に高齢化対策に繋がります。

最後までお読みいただきありがとうございました。日本やアジアの少子高齢化について考えるヒントになれば幸いです。



参考文献:

  • 大泉啓一郎『老いてゆくアジア』中公新書. 2007
  • 峯陽一『2100年の世界地図 アフラシアの時代』岩波新書. 2019
  • 井出穣治『フィリピンー成長する若き「大国」』中公新書. 2017
  • 桂良太郎ほか『アジアの社会福祉と国際協力』放送大学教育振興会. 2014

参照ウェブサイト:

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