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ベトナムの社会主義の現状とは?成功の理由と課題を探る

Vietnam’s socialism アジア各国の詳細ガイド
アジア各国の詳細ガイド

アジアの中でも屈指の人気旅行先、ベトナム。

美しい観光地や活気ある市場、豊かな食文化、そして発展の成功を象徴するかのような高層ビル群や大型商業施設。

その発展と賑わいに目を奪われ、ある事実をふと忘れてしまいそうになるかもしれません。

──この国が「社会主義国」だということを。

ベトナムについて、こんなことが気になったことはないでしょうか?

  • ベトナムは今でもやっぱり社会主義なの?
  • ベトナムは社会主義なのになぜ成功しているの?
  • 社会主義国の日常生活はどんなかんじ?
  • マックやスタバはある?
  • 配給制度はある?
  • 中国や北朝鮮とはどう違う?
  • ベトナムに行く時に気をつけるべきことは?

この記事ではこのような疑問に答えながら、一見すると気づかない社会主義国としてのベトナムの姿について探り、驚きと発見に満ちたその実態をご紹介します。

旅行や留学、ビジネスでベトナムを訪れることになっても、この記事を読めばきっと不安が解消されるはずです。





ベトナムの社会主義国の現状とは?~こんなところが社会主義

socialism in Vietnam

ベトナムの正式国名は、「ベトナム社会主義共和国」です。

現行憲法では、「人民の人民による人民のための社会主義的法治国家である」ことを謳っています。

このことから、現在もベトナムは社会主義国であるといえます

では、ベトナムが社会主義国だといえる具体的な点についてみてみましょう。

ベトナム共産党による統治

ベトナムは「一党制」を採用しており、「ベトナム共産党」が唯一の合法政党です。

ベトナム共産党は国家の最高指導機関として機能し、政治・経済・社会のすべてにおいて中心的な役割を担い、政策の決定、選挙、法律の制定、地方行政などを主導しています。

党の指導のもと、国家主席、首相、国会議長などの主要ポストは党員によって選ばれ、政府機関や軍、司法機関も党の方針に従って運営されます。

国営企業が支える主要産業

ベトナムでは大企業や主要産業は国家管理下にあり、国営企業がベトナム経済の基盤を支えています。

ベトナムの国営企業の例
  • PetroVietnam:石油・ガスの探査や採掘から精製までを担う国営企業
  • EVN:国内の電力供給を担う主要企業
  • VNPT、Viettel:通信インフラを整備する企業

一方で、1986年以降は国営企業の民営化も徐々にすすめられています

社会主義のもとでの教育と医療

社会主義の理念に基づき、教育と医療は低料金または無料で提供され、すべての国民がアクセス可能です。

高級医療施設やプライベートクリニックは例外ですが、一般市民が利用する医療機関では社会主義的な管理が色濃く残っています。

ベトナムの土地所有システムと社会主義

ベトナムでは土地の所有権はなく、国家が一括管理しています。

そのため、個人や企業は土地を所有することはできませんが、「使用権」を取得できます。

主な土地使用権の形式
  • 割り当て: 国内の個人や企業向け。有償・無償で付与され、長期利用が可能
  • リース: 外資系企業向け。国家にリース料を支払い、通常50年契約(延長可)

外国人の場合は、使用権を直接取得することができないため、法人を通じて取得したり、サブリースすることが一般的です。

社会主義の思想教育とプロパガンダ

ベトナムでは、教育やメディアを通じて社会主義思想が普及され、街中には共産党のスローガンやプロパガンダポスターが掲示されています。

政府批判には厳しい制限があり、報道や出版物は検閲を受け、マスメディアは統制下にあります。

こうした規制はインターネットにも適用され、2019年施行の「サイバーセキュリティ法」により政府はオンライン上の情報管理を強化しました。

2022年にはさらにソーシャルメディアの監視が強化され、企業のデータ保存義務が厳格化されました。政府批判や反体制的な発言が削除されることも多く、オンライン上の自由な発信はさらに制限されています。

こうしてみると、ベトナムは現在も社会主義の要素が色濃く残っていることがわかります。



ベトナムの社会主義はなぜ成功しているのか?

bikes

ここまでベトナムの社会主義らしい側面をみてきましたが、それでもなぜベトナムは経済発展に成功しているのでしょうか?

それは、ベトナムが独自の社会主義モデルを実践しているからです。

では、その特徴を詳しく見ていきましょう。

ドイモイ政策による市場経済の導入

かつてはベトナム政府が計画経済のもとで経済活動を統制していましたが、1986年に「ドイモイ(刷新)政策」を採用したことで、経済が急速に発展しました。

ドイモイ政策とは、1986年のベトナム共産党第6回大会で打ち出された経済改革です。

ドイモイ政策の主な内容
  • 市場経済の導入… 社会主義体制のもとで市場経済を取り入れ、民間企業の活動を認める
  • 国際貿易の拡大… 外国資本を受け入れ、輸出産業を強化
  • 農業改革… 個人の農地所有を認め、農産物の自由な取引が可能に

これによりベトナムは急速な経済成長に成功し、現在では東南アジア有数の経済発展国となっています。

ドイモイ政策で国の発展は加速し都市部では生活水準が向上したものの、農村地域では貧困問題が依然として残るなど、貧富の差の拡大という課題も生じています。

ドイモイ政策は現在もベトナム経済の基盤を支えており、さらなる成長と社会的課題への対応が求められています。

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労働市場の柔軟性

社会主義国では労働市場が厳しく統制されることが多いですが、ベトナムは労働市場の柔軟性が比較的高く、企業は市場の需要に応じて雇用を調整しやすくなっています。

また、外資系企業の進出により新たな雇用が創出され、労働者は国際的な職場環境で働く機会を得ています。

さらにベトナムは若い労働力が豊富なため、彼らが企業の成長を支え、労働市場の流動性を高めています。



積極的な行政改革がもらたす経済活性化

ベトナムは、社会主義国でありながら公務員数が約200万人(総人口の約2.0%)と世界的に見ても低い水準です。

行政のスリム化をさらに推進するため、2025年には公務員数を20%削減する方針が発表されました。

これまでにも公務員数の調整や官僚主義の緩和を進めてきた歴史があり、今回の改革では、公務員削減に加え、行政区域の統廃合も進められ、地方自治体の数を削減する計画が示されています。

成功すればベトナムの経済成長をさらに加速させる要因となるかもしれませんが、実施の過程での課題も多く、今後の展開が注目されています。

柔軟な外交戦略による経済メリット

ベトナムはバランスの取れた外交政策を展開し、国際的な独自路線を維持しています。

中国との関係では戦略的な協力を進めつつ、南シナ海問題などには慎重に対応しています。また、アメリカや日本とも関係を深め、いずれかに偏らない「全方位外交」で米中対立にも柔軟に向き合っています。

さらに、ASEANの重要なメンバーとして地域の安全保障や経済協力にも積極的に関与したり、欧米諸国とも貿易や技術協力を進め、国際的な影響力を拡大しています。

一般に社会主義国は国家の理念や政権の安定を優先するあまり、外交方針が硬直化する傾向がありますが、ベトナムは独立した外交方針を持ちながらも、各国と柔軟な関係を構築しています。

観光業の発展による経済多様化

Vietnam's scenery

ベトナムは観光業を経済成長の柱と位置づけ、外国人観光客の受け入れを拡大しています。

政府はビザ緩和やインフラ整備を進め、都市部だけでなく地方の観光地も発展させています。

観光業は雇用創出や地域経済の活性化に貢献しており、ダナンやホイアンでは観光客の増加に伴い、サービス業が拡大。

さらに、ハロン湾やホイアン旧市街などの観光資源を活かし、文化体験型ツーリズムにも力を入れるなど、積極的な政策によって観光業を推進し、経済の多様化を進めています。

デジタル経済が切り拓く未来

ベトナムのデジタル経済は急成長しており、ASEAN諸国の中でも特に注目されています。

政府はデジタル経済の発展に力を入れ、スタートアップ支援やIT産業の育成を積極的に推進しています。特に、5G通信網の導入や電子政府の整備により、デジタルインフラの強化を進めています。

また、フィンテックや人工知能(AI)、ソフトウェア開発などの分野が急成長しており、アジア市場への進出を強化。政府の支援を受けながら、多くのベトナム企業が国際競争力を高めています。

社会主義国でありながら、市場の柔軟性を活かしたテクノロジー分野の成長を積極的に促進している点が、ベトナムの特徴です。

このように、ベトナムは社会主義の枠組みを維持しつつ、経済分野を中心とした実利的な政策を積極的に取り入れることで経済発展に成功しました。

一般的にイメージされる社会主義国とは一線を画す特徴を持っているといえます。

社会主義国ベトナムの日常生活はどんな感じ?

Street corner of Vietnam

では、こうした制度のもとで暮らすベトナムの人々の日常生活はどのようなものなのでしょうか?

社会主義的な制度を維持しながら経済成長を続けるベトナムの日常生活を具体的に見ていきましょう。

ベトナムに外資系の飲食チェーンはある?

社会主義国というと、外資系チェーン店が存在しないイメージがありますが、ベトナムはどうなのでしょうか?

実はベトナムにはマクドナルドやスターバックスをはじめ、多くの外資系ブランドが進出しています。

  • マクドナルド
    2014年にホーチミン市で初出店し、都市部を中心に展開中。ベトナムならではのメニューも楽しめる
  • スターバックス
    2013年にベトナム市場に参入し、ハノイやダナンなどの主要都市にも広がっている。タンブラーやマグカップなどのベトナム限定グッズも人気
  • その他
    KFC、バーガーキング、ピザハット、ドミノ・ピザ、セブンイレブンなども都市部を中心に営業

外資系企業がベトナムに進出した背景には、ドイモイ政策(刷新政策)の導入や海外直接投資(FDI)の増加があります。

ベトナム政府が外資誘致を推進し、経済の国際化を進めたことで、外資系チェーンが市場拡大に対応しやすくなりました。加えて、若い人口構成と所得向上により、消費市場の成長も進出を後押ししました。

このように、積極的に外資を受け入れ、市場経済を発展させています。



ベトナムに配給制度はある?

社会主義国というと、配給制度が思い浮かぶかもしれません。

現在のベトナムには配給制度が残っているのでしょうか?

ベトナムでは最低限の生活を保障するための社会福祉制度が整備されていますが、かつて存在した全国的な配給制度は現在ほとんどありません

1986年のドイモイ(刷新)政策以前は、「配給時代(バオカップ/Bao Cap)」として、政府が食料や必需品を管理・配給していましたが、供給不足や品質の問題がありました。

市場経済の導入後、物資は自由に購入できるようになりましたが、災害時や貧困層支援の際には政府が支援物資を提供することがあります。

ベトナムでは給料は一定?

社会主義国であれば、その給料は一定なのでしょうか?

ベトナムの給与制度は、公務員と民間企業で異なります。

ベトナムの給与体系
  • 公務員/ 国営企業:
    労働者の賃金は国家が決定し、「基礎賃金」に職務の階級や経験年数に応じた係数を掛けて計算される
  • 民間企業:
    市場原理の影響を受け、地域別最低賃金を基準にしながら、業績や競争力に応じて決定されるため、より高い賃金を提供する場合もある

公務員の給与は安定していますが、民間企業では業績や地域による変動があるのが特徴です。

つまり、社会主義国であっても、給与体系は他国と大きく異なるわけではなく、民間企業の賃金決定には市場経済の影響が見られます。

以上のことから、ベトナムでの日常生活では市場経済の影響が大きく、表面的に見ると社会主義色は薄いというのが現状のようです。

実際、都市部では「消費社会主義(Consumer Socialism)」という考え方があり、消費文化が浸透しています。

とはいえ、先述したように報道・メディアの統制や、土地所有制度や国営企業の影響は依然として強く、これらの分野では社会主義的な要素が残っています。

ベトナムと他の社会主義国との違い

アジアで社会主義を実践している国といえば中国や北朝鮮があります。

ベトナムとはどのような違いがあるのでしょうか。以下の比較表をご覧ください。

項目ベトナム中国北朝鮮
経済市場経済を導入、民営化・外資受け入れを推進市場経済を導入も国有企業が強く、一部民間経済が発展計画経済を維持しつつ、一部市場経済(闇市など)の要素が存在
政治一党独裁だが権力分散型の体制一党独裁、個人指導体制で権力集中強固な個人独裁、統制が厳しい
外交バランス外交、米国・日本とも関係強化強硬外交、経済的影響力を拡大閉鎖的外交、中国・ロシアと関係強化
生活民間経済は活発、報道や言論の規制があるが、中国・北朝鮮より緩やか経済成長も規制強化、言論の自由が制限統制が厳しくネット・言論ともに制限大

中国や北朝鮮に比べ、ベトナムは経済面で民間活力が高く、外交でも柔軟な姿勢が見られます。

政治体制は同じく一党独裁ですが、権力の集中度合いには差があります。

概して、中国や北朝鮮と比較すると、ベトナムの社会主義は一定の柔軟性を持ち、民間経済や国際関係を積極的に取り入れているといえます。

社会主義国ベトナムで気を付けるべきこと

sight seeing in Vietnam

では最後に、観光やビジネスでベトナムを訪問する際に気を付けたい、社会主義国ならではの注意点をお伝えします。

政治的な発言に注意

公共の場で政府批判をすることは避けましょう。

政府批判は国家転覆罪になることがあり、SNS上の発言も監視される場合があります。

特に、デモや政治集会への参加は厳しく規制されているため、関与しないようにしましょう。

政府関連施設の撮影禁止

軍事施設や政府機関の写真撮影は制限されているため、撮影前に確認しましょう。

また、空港や国境付近でも撮影が禁止されていることがあるため、確認が必要です。

ドローンの使用には許可が必要で、許可がない場合は罰則が科されることがあります。

インターネットの規制

一部のウェブサイトやSNSが制限されることがあるため、VPNの利用を検討すると便利です。

特に、政治関連の情報や国外のニュースサイトへのアクセスが制限されることがあるため、事前に調べておくと安心です。

ベトナムは比較的安全な国ですが、社会主義国ならではのルールを理解しておくと、より快適で安全に滞在できます。

アジアでのタブーについて気になる方は、こちらの記事をどうぞ。

意外かもしれませんが、社会主義国ベトナムでは政府によるLGBTQ権利拡大については積極的です。



ベトナムの社会主義まとめ

この記事では、ベトナムの社会主義の現状についてご紹介しました。

ベトナムは、政治、主要産業、教育、医療、土地制度など、社会の根幹を支える部分では社会主義的な制度や要素が色濃く残っています

一方、消費活動に関わる部分では、一見すると資本主義の国と変わらない自由で活気のある光景が広がっています。

短期滞在ではなかなか実感しにくいかもしれませんが、長期滞在をしたり、ベトナムで事業を行う際などには、ベトナムが社会主義国であることを強く感じる場面がありそうです。

社会主義と市場経済が共存し、ダイナミックな成長を成功させたベトナムですが、経済発展の裏側では貧富の差の拡大が課題となっており、さらに近年の急速な行政改革による社会的な混乱への懸念も高まっています。

今後、このバランスをどのように維持しながら、持続可能な発展へとつなげていくのかが注目されるでしょう。

最後までお読みいただきありがとうございました。

この記事が、ベトナム社会を理解する一助になれば幸いです。

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参考文献

岩井美佐紀『エリアスタディーズ39 現代ベトナムを知るための63章【第3版】』明石書店. 2023

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