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ベトナム映画のおすすめ10作品を紹介!

Vietnamese Movies (2) 映画で学ぶアジア
映画で学ぶアジア

この記事では、ベトナムのおすすめ映画を10本紹介します。

ベトナムではフランス植民地時代の比較的早い時期に映画製作が始まり、歴史的・文化的背景を反映した多様なジャンルの映画がつくられてきました。

ベトナム映画は主に3つのタイプに分類できます。

  • 現代映画
  • 社会的リアリズム映画
  • ベトナム戦争映画

以下では、3つのタイプに分けてベトナム映画をご紹介しています。

ベトナム映画を観てみたい!と思ったら、ぜひ本記事で紹介しているベトナム映画を参考にしてください。

尚、本記事で紹介する「ベトナム映画」とは、製作国がベトナムの作品だけでなく、製作国にかかわらずベトナムを主な舞台としている作品も含みます。

ベトナム映画でよく描かれるテーマ:
戦争、家族、愛、友情、貧困、社会問題、伝統文化、アクションなど

東南アジア各国における映画事情については、こちらの記事をお読みください↓



現代映画

2010年以降、デジタル技術の進歩により洗練された映像制作が可能となり、経済的に豊かになったベトナムを華やかでスタイリッシュに描くものや、多様なテーマやスタイルの映画が多く生まれました。

国際的な映画祭で賞を受賞するなど、世界の映画産業の中でベトナム映画が認知されるようにもなりました。

ベトナムの怪しい彼女

原題:Em la ba noi cua anh
製作年:2015年
製作国:ベトナム
監督:ファン・ザー・ニャット・リン

韓国映画のベトナム版リメイク。

口うるさく家族から煙たがられていた70歳の祖母が突然20歳に若返り、家族や若い世代と交流する中で彼らの本音を理解していくという心温まるストーリーです。

ベトナムの歌手ミウ・レが主演を務めていて、何度か登場する歌唱シーンでは彼女の美しく繊細な歌声を楽しめます。全体的に明るくコメディタッチに描かれていますが、ベトナム戦争での苦難を語るシーンなどにはベトナム版のオリジナリティもみられます。

ベトナムでは他にも、海外作品のリメイクとして『パパと娘の7日間』『輝ける日々に(『サニー』ベトナム版)』などがあります。

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こんなにも君が好きで

原題:Goodbye Mother
製作年:2019年
製作国:ベトナム
監督:チン・ディン・レ・ミン

アメリカに住む青年ヴァンは、同性の恋人を連れてベトナムに一時帰国しますが、家族にゲイであることをあかせぬまま、恋人を「友達」として紹介してしまいます。

家族の期待を一身に背負うヴァンに、「家を継いで早く跡取りを」という家族や親戚からの精神的プレッシャーがのしかかります。

特に母からの深い愛情を受けて育ったヴァンは、本当のことを伝えて落胆させたくないという気持ちと、恋人を大切に思う気持ちとの板挟みに葛藤するものの、いつか「その時」は訪れてしまいます。

主人公と恋人との関係は重要なキーとはなっているものの、映画全体を通してBL要素に引っ張られすぎず、家族としての絆や深い愛情、人と人との心の交流や確執が丁寧に描かれています。

また、本作はベトナムの大家族の暮らし、家の様子、服装や食事まで、実際のベトナムの生活に近いであろう様子が見て取れ、そこに流れる緩やかな時間をじっくりと味わえるところもこの映画の魅力です。

ベトナムではLGBTQを巡る状況は少し特殊で、他のアジア諸国に比べるとLGBTQへの法制度は進んでいる一方で、人々の価値観はまだ追いついていないという状況があります。本作の登場人物たちの言動などからもそうした点は垣間見られます。

第三夫人と髪飾り

原題:Trzecia zona/ Vợ Ba/ The Third Wife
製作年:2018年
製作国:ベトナム
監督:アッシュ・メイフェア

19世紀の北ベトナムの奥地。若くして第三夫人として富豪の家へ嫁ぐことになった主人公の視点から見た、ベトナムの田舎の保守的な慣習と、そこで生きる女性たちの悲哀の物語。

女性達は運命に従い、決められた役割をこなして淡々と物語は進んでいきますが、やがて徐々に綻びが見え始めます。

古い慣習に縛られ、同じ夫を共有する三人の女性達。その中でありがちな女性同士の揉め事や諍いが起こるのかと思いきや、物語はまさかの予想外な方向に進んでしまいます。

現代の尺度でみれば、児童婚や女性蔑視などの風習には強い違和感を覚えるかもしれませんが、息を呑むほど美しい風景と、浮世離れした設定にはどこか異世界を見ているようでもあります。

草原に黄色い花を見つける

原題:Tôi thay hoa vàng trên co xanh/Yellow Flowers on the Green Grass
製作年:2015年
製作国:ベトナム
監督:ヴィクター・ヴー

1980年代を舞台にしたベトナムの田園地帯に住む兄弟の物語。ベトナムの田舎の素朴な自然風景が存分に堪能出来ます。

幼なじみへの淡い恋心、ちょっと過激な兄弟げんか、クラスメートや学校とのいざこざ、不条理な大人への苛立ち、思春期の複雑な心理…など、子供から大人になる頃に誰しもが1度は経験したような出来事や、抱いたことがあるだろう感情などが丁寧に描かれていています。

子供時代を追体験するような気持ちになれる作品です。



社会的リアリズム映画

ベトナム戦争後、まだベトナムが経済発展を達成する前の1980年代~2010年代頃のベトナムを描いた作品は、戦争の傷跡、貧困問題などの社会現象をリアルに反映するものが多くありました。

町の様子や人々の暮らしなどから当時の生活感が溢れ、いわゆる「ベトナムらしさ」を感じさせる作品が多いジャンルでもあります。

望郷

vietnamese citizens

原題:投奔怒海/ Boat People
製作年:1982年
製作国:香港
監督:アン・ホイ

ベトナム戦争が終結すると、ベトナム国内では迫害から逃れるため、多くの市民が海外へ亡命し「ボート・ピープル」と呼ばれるようになりました。

ベトナム戦争自体を描いた映画や、海外へ逃れたボートピープルのその後を追ったドキュメンタリーは少なくありませんが、「南北統一後のベトナムの国内状況」を描いた映画は非常に珍しいといえます。

本作はまさに南北統一後のベトナムが舞台となっており、戦争終結から3年後のベトナム中部のダナンに、日本人ジャーナリストが取材に訪れるという設定でストーリーが展開します。

ジャーナリストが見るベトナムは、表向きには革命が順調にすすんでいるように見えますが、徐々に綻びが見え始め、困窮する市民たちの悲惨な実態や、現状の生活へ不満を抱く人々の本音が明らかになっていきます。

本作ではなぜこの時代のベトナムを描けたのでしょうか?

本作のアン・ホイ監督は、ベトナムへ実際に渡ったわけではなく、ボートピープルへの数々のインタビューから得た証言を元にこの時代のベトナム国内の状況を知り、映画を製作したそうです。

ベトナムは1986年にドイモイ(刷新)政策を発表し市場主義経済を取り入れて以降、めざましい経済発展を遂げました。今では、都市部は近隣国にも引けを取らないほど豊かになり、少なくとも表面的には周辺の新興国とほとんど相違ないようにみえます。

しかし、そんなベトナムにもこんな時代が存在していたのだということを改めて思い起こさせてくれる作品です。

シクロ

原題:CYCLO
製作年:1995年
製作国:フランス、香港、ベトナム
監督:トラン・アン・ユン

シクロというベトナムの自転車タクシー運転手の青年が、シクロを盗まれたことがきっかけでマフィアと関わるようになり、崖から転がるり落ちるように破滅の道へと進み狂気に蝕まれていきます。

とはいっても、いわゆるハードボイルドなマフィア映画の雰囲気とは全く異なり、暴力と狂気に満ち溢れているにもかかわらず、アンニュイで湿度を感じさせるなんとも独特な仕上がりになっています。

真っ白な美しいアオザイ服、青と黄色のペンキ、豚の屠殺場…など、数々の鮮烈なイメージが脳裏に焼き付くアート色の高い作品です。

世界的に活躍するトラン・アン・ユン監督が『青いパパイヤの香り』に続いて製作した長編第二作です。

モン族の少女 パオの物語

Hmong woman

原題: Chuyen cua Pao/ Pao’s Story
製作年:2006年
製作国:ベトナム
監督:ゴー・クアン・ハーイ

ベトナムの山深くに暮らすモン族の少女の成長の物語。

モン族 (Hmong)とは、中国、ベトナム、ラオス、タイなどに住む少数民族で、ベトナムでは中国との国境地域の北部山岳地帯などに暮らしています。

本作はベトナムの少数民族モン族の女性たちの生き方に焦点をあてています。

少数民族の伝統的な暮らしは、外から見ると尊く美しいものに映りますが、当事者たちが感じていることは必ずしもそうとは限りません。

モン族は父系社会で男性の地位が高い一方、女性たちの地位は低く、厳しい状況に置かれています。子供を産めない女性は存在すらも軽視される、子供は男子でなければ祝福されない、子供を産むためだけの母親は子育てはできない、、、など女性が置かれている多くの理不尽な境遇は、主人公パオの母(産みの母と育ての母)も例外ではありません。

主人公は、伝統的な価値観の裏にある母たちの悲しみを知り、苦悩しながらも前に進もうと行動し、成長していきます。

映画は実際にモン族が暮らす場所で撮影されていることから、山岳地帯での生活の様子やモン族の女性の色鮮やかな民族衣装、伝統的で素朴な家屋など、そこで生きる人々の生きた姿を感じられます。

なかなか知ることのできない少数民族の暮らしを通して、外側からは見えない異文化を知ることができます。

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季節の中で

Vietnam Lotus

原題:THREE SEASONS
製作年:1999年
製作国:アメリカ
監督:トニー・ブイ

蓮の花の売り子と屋敷に暮らす病床の雇い主、シクロ運転手と娼婦、ストリートチルドレンたち、アメリカ人元軍人とその娘、などベトナムに暮らすさまざまな立場の人たちの人生が交差してゆく日常を描く、じんわり心に滲みる作品。

蓮の花、シクロ、アオザイ、街の喧騒…などベトナムらしさが存分に味わえます。

貧困問題やベトナム戦争の余波などを感じるシーンもところどころに見られ、美しいだけではない現実も思い知らされます。

映画全体を通して劇的なシーンは多くなく、あえて多くを語らない、すべてを見せすぎない、そんなスタンスが感じられます。



ベトナム戦争映画

ベトナム戦争を描いた映画は、戦争期から現在までベトナム映画の一つのジャンルとなっています。

戦争期に国内でつくられた作品は政治的メッセージが強く、一方戦争後につくられた作品では戦争に参加した兵士や戦争に運命を翻弄された市民の「悲しみ」を描いているものが多いといえます。

ベトナムでつくられたベトナム戦争映画は、「ベトナム側は戦争をどうとらえていたのか」という視点を知ることができます。

きのう、平和の夢を見た

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原題:Dung dot/ Don’t burn
製作年:2009年
製作国:ベトナム
監督:ダン・ニャット・ミン

南ベトナムの夜戦病院で働いていた女性医師の日記を通して戦争を描く、実話にもとづく作品です。

女性医師は死と隣り合わせの日々の中で気丈に患者の看護にあたりながら、夜になると身近な人の死への悲しみや、自らに迫る死への恐怖を日記に率直に綴っていました。

常に死を間近に感じる日々の中で彼女が心から願っていたのは、お金でも大きな夢でもなく、ただ家族や愛する人と過ごす平和でささやかな日常でした。

日記は数奇な運命を辿り、ベトナムからアメリカへ、そして再びベトナムの家族の元へ戻ります。

本作からわかる、「ベトナム側からみたベトナム戦争」とはどのようなものでしょうか。

まずアメリカ製作のベトナム戦争映画では、慣れない土地での疲弊と混乱、理想と現実との落差、極限状態での人間の狂気、そして愛国心やアイデンティティーの揺らぎなどが主なテーマとなり、それらの要素が兵士たちに様々な葛藤をもたらす様が描かれています。

一方、ベトナム側から描かれるベトナム戦争のメインテーマは、「戦争による別れや死がもたらす深い悲しみ」に集約されるといえます。

ベトナムにとって、ベトナム戦争は自国で行われた総力戦であり、「戦わなくてはならない戦争」でした。そこに迷いはありません。

また、イデオロギーや全体主義で戦争が語られるばかりではなく、戦争に参加した兵士や市民一人ひとりにかけがえのない人生ドラマが存在していたことがしっかりと描かれているところは興味深いです。

無人の野

原題:CANH DONG HOANG
製作年:1980年
製作国:ベトナム
監督:グェン・ホン・セン

本作もベトナム側から見たベトナム戦争を描いた作品の一つです。

北ベトナムの川辺の粗末な小屋で暮らす若い夫婦と幼子の3人家族は、質素ながら慎ましく幸せに暮らしていましたが、そんなのどかな生活は時折やって来るアメリカ軍からの爆撃で何度も恐怖に陥れられます。

普段は幼子を育てる優しい母も、アメリカの爆撃が始まるとためらいなく水に飛び込んで身を隠し、時には自ら銃を構えてアメリカ兵を相手に勇敢に戦います。

そんな姿からは、「生活」のすぐ横に「戦争」があった当時のベトナムの状況がうかがえます。

1980年の作品ということもあり、全体を通して「平和と祖国を愛するベトナム人」と「無慈悲なアメリカの爆撃」の残酷な対比をあえて際立せるようにつくられています。(アメリカとベトナムの国交回復は1995年)

ベトナム市民達が「ホーおじさん(ホー・チ・ミン)」の教えを唱えながら仲間同士で戦意を鼓舞し合うシーンは、アメリカに決して屈しなかったベトナム人精神の根源を思わせます。

まとめ

3つのタイプに分けて様々なベトナム映画をご紹介しました。

ベトナム映画にはベトナムの社会状況が色濃く反映されているものが多く、作品がつくられた時期によってかなりスタイルが変わります。

テーマやストーリーだけでなく、映像技術、街並み、人々の服装や小道具など、映画に登場するさまざまな要素から、その映画がつくられた時代のベトナムの様子を知ることができます。

本記事が、ベトナム映画およびベトナムを知るための参考になれば幸いです。最後までお読みいただきありがとうございました。



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