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インドネシア映画のおすすめ10作品を紹介!

Indonesian movies 映画で学ぶアジア
映画で学ぶアジア

本記事では、インドネシアのおすすめ映画を新旧合わせて10本ご紹介します。

インドネシアは、政権交代のあった1998年以降から非常に多彩なジャンルの映画がつくられるようになり、日本で観られるインドネシア映画の数も年々増加しています。

インドネシア映画を観てみたい!と思ったら、ぜひ本記事で紹介しているインドネシア映画を参考にしてください。

尚、本記事で紹介する「インドネシア映画」とは、製作国がインドネシアの作品だけでなく、製作国を問わずインドネシアを主な舞台としている作品も含みます。

インドネシア映画でよく描かれるテーマ:
家族の絆、霊、怪奇現象、宗教と信仰、多文化、歴史、恋愛、ジェンダー、暴力など



フォトコピー

原題:Penyalin Cahaya/ Photocopier
製作年:2021年
製作国:インドネシア
監督:レガス・バヌテジャ

都心に暮らす大学生の主人公は、サークル仲間たちと寝食をともにしながら同じ目標に向かって過ごすといういかにも大学生らしい生活を送っています。

インドネシアに多いイスラーム教徒は、服装や飲食などは教義に従う必要がありますが、大学生ともなると多少はハメを外すのはよくあること。

しかし、ほんの1度のお酒の失敗から一気に人生が転落していく様は、インドネシアならではの展開といえるかもしれません。

自分を貶めた犯人を探すうちに、思いもよらない深い闇の事実にたどり着き、青春映画から一転してサスペンス映画に変貌します。

2021年にインドネシアの映画祭で数々の受賞記録を塗り替えた歴史的作品です。

珈琲哲學~恋と人生の味わい方~

原題:Filosofi Kopi
製作年:2015年
製作国:インドネシア
監督:アンガ・ドウィマス・サソンコ

ジャカルタでコーヒーショップを営むジョンと、そこで天才バリスタとして働く幼馴染のベン。

客入りはそこそこあるものの、父の代からの借金を返済するにはまだまだ売上が足りず、店を閉めることも考え始めた時、「実業家に完璧なコーヒーを提供することができれば大金を手にできる」という話が舞い込みます。

ジョンとベンたちは完璧なコーヒーを求めて奮闘する中で、友情、仕事、価値観、家族、過去などを巡って時には衝突を繰り返しながらも、それぞれの人生に向き合っていきます。

コーヒー好きにとって人生の様々な局面にはコーヒーがあり、多くの時間をともに過ごすコーヒーは人生そのものにも例えられます。

そんなコーヒーをテーマにした映画は世界中でつくられていますが、インドネシアがつくるコーヒー映画の強みは、インドネシアがコーヒーの一大生産国でもあるという点。

本当に美味しいコーヒーを作るために、仕入れや焙煎の前工程であるコーヒー栽培の段階からのこだわりや苦労も描かれることで、コーヒーをめぐる深い物語が展開されています。

本作にはエスプレッソやサイフォンで淹れる本格的なコーヒーはもちろん、インドネシアの昔ながらの飲み方であるトゥブルックコーヒー(細かく挽いたコーヒー粉をお湯と混ぜて粉を沈殿させて飲む)も登場します。そんなところにも本作のインドネシアらしさがあります。

映画全体の演出がスタイリッシュで、ジャカルタの洗練されたファッションや若者文化も見られます。

メモリーズ・オブ・マイ・ボディ

原題:Kucumbu Tubuh Indahku/ Memories of My Body
製作年:2018年
製作国:インドネシア
監督:ガリン・ヌグロホ

実在のインドネシア人ダンサー・リアント氏の半生にインスパイヤされて作られた、「多様性」がテーマとなっている作品。

主人公が少年期から青年期にかけて数々の衝撃的な体験を経て、男性性と女性性を併せ持つ不思議な魅力をまとったレンゲル(中部ジャワの男性による女形舞踊)のダンサーになるまでを描いています。

一人の人間の中に多様性が存在するように、インドネシアの中にも理論や理屈では説明しきれない多様性があることを暗示させます。

たとえば、作中に登場したレンゲルのような多様な性を持つ人々が生きられるコミュニティは、イスラーム教が多数派の宗教であるインドネシアにも各地に存在します。

また、作品中にはレンゲル、ワヤン、プンチャック・シラットなど数々のインドネシア芸術が登場し、インドネシアの多様性の一端を垣間見ることができます。

虹の兵士たち

原題:Laskar Pelangi/ The Rainbow Troops
製作年:2008年
製作国:インドネシア
監督:リリ・リザ

1970年代、スマトラ島南東部にあるブリトン島という島の貧しい学校に通う地元の子供たちと新任女性教師の日々の物語。インドネシアの大ベストセラー小説の映画化作品です。

教員数や運営資金もぎりぎりという状況の中、なんとか子供たちのために学校を存続させようと奮闘する教師の温かい愛情、貧しくとも仲間たちとの日々の中で楽しみを見出しながらのびのびと育っていく子供たちの姿、そしてのどかで自然豊かなブリトン島の風景に、ほほえましく懐かしい気持ちになります。

とはいえ、この映画には貧富の差や教育機会の不平等という現実への皮肉も込められています。

終盤までほっこりする展開が続いていたものの、ラストではどこか釈然としない複雑な気持ちになってしまうのは、実はこの映画に込められた本当のメッセージのせいなのかもしれません。



カルティニ

原題:KARTINI
製作年:2017年
製作国:インドネシア
監督:ハヌン・ブラマンティオ

インドネシアがオランダ領であった20世紀初頭、女性の権利を制限するものが多かったジャワ社会で、心だけは自由であり続けようと気高く生きた実在のインドネシア人女性・カルティニの物語です。

当時のジャワでは女性の地位は低く、厳しい作法やしきたりが多く存在していました。

そのひとつに、花嫁修業として女性が何年も家に閉じこめられて結婚の申し込みを待つというものがありました。

カルティニも慣習に従って何年も幽閉されますが、そんな状況でも多くのオランダの書物を読み、そこで知った自由な思想に希望を見い出し、オランダ人と文通を続けます。

自らの夢の実現のために奔走するも、多くの制限が課される中で自分の希望通りに生きることがかなわなかったカルティニ。

しかし彼女の死後、かつてオランダ人へ送った手紙が書簡集として出版されベストセラーになるという形で、彼女の思想は多くの人々が知ることになります。彼女の思想や生き方は100年以上たった現在も語り継がれています。

どんな不条理な状況に置かれても心だけは誰にも縛られず、自由を求めることをやめなかった意思の強さは、後世の人々にどれほどの勇気をもたらしたでしょうか。

この時代のインドネシアに、これほどの強い意思と志の高さを持った女性がいたことに驚かされます。

カルティニの生涯はこれまで何度も映画化されていますが、本作では特に「女性解放の先駆者」としての側面が強く描かれています。カルティニは「ナショナリズムの母」とも言われるほど民族意識についても深く考察した人物でもあります。

人間の大地

原題:Bumi Manusia/ The Earth of Mankind
製作年:2019年
製作国:インドネシア
監督:ハヌン・ブラマンティヨ

ノーベル賞候補に何度も挙がったインドネシアの作家、プラムディア・アナンタ・トゥールの長編小説の映画化。

オランダ植民地時代のインドネシアで、オランダ人学校に通うジャワ貴族の聡明な青年ミンケと、オランダ人の父と地元民の母を持つ美しい女性アンネリースとの恋を通して、民族とは、人間とは何かを問いかける作品です。

オランダ植民地時代のインドネシアでは、オランダ人か混血か地元民かによって待遇が明確に区別されており、差別や偏見も当然のように行われていました。

自分が生まれ育った土地にもかかわらず、人間の価値は出自によって初めから決まっているといわんばかりのあからさまな差別に、植民地制度の不条理さ、残酷さをまざまざと見せつけられます。

そんな中でも理性と知恵と誇りを持って強く生き抜こうとする主人公達の姿には勇気をもらえます。

マルリナの明日

原題:Marlina Si Pembunuh Dalam Empat Babak/Marlina the Murderer in Four Acts
製作年:2017年
製作国:インドネシア
監督:モーリー・スリヤ

夫に先立たれ僻地で1人で暮らす未亡人マルリナは、ある日強盗団に襲われてしまい、その犯人を殺害して遠い町の警察署まで無実を証明するための旅に出ます。

殺害した犯人の生首を常に持ち歩いていたり、自宅のシーンでは死んでミイラ化した夫が常時フレームインしているなど、随所にシュールな演出が見られます。

死体をミイラ化して保存するのはスンバ島の風習です。

また、西部劇を彷彿とさせる荒涼とした大地をマルリナが旅する光景は、これまでのインドネシア映画とは全く異なる雰囲気を醸し出しています。

虐げられながらも強く逞しくしなやかに生きる女性達へのエールが感じられ、随所に光る斬新な演出の数々はインドネシア映画の新しい可能性を予感させます。

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アルナとその好物

Padang cuisine

原題:Aruna & Her Palate
製作年:2018年
製作国:インドネシア
監督:エドウィン

美味しいものを食べることが何より大好きな主人公アルナが、鳥インフルエンザ調査のためにインドネシア各地へ出張し、その先で数々のおいしそうなインドネシア地元料理に出会っていきます。

インドネシアは17,000以上の島から成り立つ多民族国家で、料理は地域によって驚くほどバラエティに富んでおり、まさにインドネシアのダイバーシティを体現しています。

「混ぜれば混ぜるほどおいしくなる」というインドネシア料理ならではの醍醐味を人生になぞらえているところがユニークです。都会派のインドネシアの若者たちの恋愛観や仕事観も垣間見ることができます。

2000年代にインドネシアを席巻した大ヒット青春映画『ビューティフルデイズ(原題:Ada Apa Dengan Cinta?)』のメインキャスト二人が友人役で出ているところが胸アツポイントです。



スンデルボロン

原題:Sundel Bolong
製作年:1981年
製作国:インドネシア
監督:シスウォロ・ゴータマ・プトラ

ホラー映画が星の数ほどあるインドネシアでは、1970-1980年代に数々の大ヒットホラー映画に出演し、「怪奇映画の女王」と言われたスザンナという俳優がいました。

本作『スンデルボロン』は彼女の代表作で、スザンナ演じる元娼婦のアリサが非業の死を遂げ、背中に穴の開いた幽霊のスンデルボロンとなって蘇り、自分を死に追いやった人々に次々と復讐をしていきます。

スンデルボロンとなった主人公が屋台でサテ(インドネシア風焼鳥)を200本一気食いし、鍋から直接ソト(インドネシア風チキンスープ)を飲み干す衝撃的なシーンは、もはや伝説と化しています。

ホラーとしての怖さを楽しめるだけでなく、絶妙なコメディ要素が散りばめられているところも魅力です。

危険な年

原題:The Year of Living Dangerously
製作年:1982年
製作国:オーストラリア
監督:ピーター・ウィアー

1965年、インドネシアで「9月30日事件」というクーデター事件が起こりました。

インドネシア国内では事件の黒幕はインドネシア共産党(PKI)であると結論づけられ、事件をきっかけに政権交代が起こります。そして、その後数年にわたりインドネシア国内では、数百万人もの共産党員(とされる)市民が虐殺されるという痛ましい出来事がありました。

しかし実際には事件をめぐっては現在に至るまで多くの謎が残されており、真相は明らかになっていません。ただし、国内では今でもこの件について公に語ること自体がタブー視されています。

本作は、そんな9月30日事件をインドネシア駐在のオーストラリア人ジャーナリストの視点で描いています。

ジャーナリストが赴任した当時のインドネシアはクーデターのまさに直前で、夜間外出禁止令が発出され、内戦の噂も出回るなど、あきらかに物々しい雰囲気の中にありました。

当時の政権を握っていたのは「インドネシア建国の父」といわれたインドネシア初代大統領スカルノでした。

強力なカリスマを発揮して大衆を率いてきたスカルノですが、政権末期には国内は経済状況の悪化や政治の行き詰まりなどにより諸問題が噴出し、市民の貧困、治安の悪化、共産党と陸軍の対立激化、デモの頻発などによって国内の混乱と緊張はピークに達していたのです。

本作は、そんな9月30日事件当時のインドネシアの様子を緊迫感たっぷりに伝えており、事件当時の空気感を知ることができる映画です。

同事件を扱った海外の映画としては、『アクト・オブ・キリング』『ルック・オブ・サイレンス』などがありますが、両作はどちらかといえば、事件後の共産党員の虐殺事件をめぐる記憶をメインに扱っています。

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まとめ

おすすめのインドネシア映画10本をご紹介しました。

インドネシア映画は、近年挑戦的なテーマを扱った映画も多数つくられており、複雑なインドネシア社会を理解するのにとても役立ちます。

また、映画の舞台となる地域が首都ジャカルタなのか、地方なのかにも注目してみると、地域によってテーマや表現方法が大きく違うことがわかり、インドネシアのダイバーシティを感じることができます。

本記事が、インドネシア映画とインドネシア社会をより深く理解するための参考になれば幸いです。

最後までお読みいただきありがとうございました。



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